夏が終わるのを待たずに、空には透明な雲が青色になって浮いている

息苦しい程に、痛覚が敏感であれる瞬間を知ってしまった。この文章は、きっと”それ”との会話であったのだ、と紫陽花が咲く前に勝手に結論付けようと思う。

人は生まれ、死んでいく。補足が必要のないこの一文を見つめる。僕が全体重を預けた大木は黙って今日も、上に向かって伸び続けている。その太い幹を、2回程強く叩いてみる。目を閉じると”それ”と一つになれた、ような気がした。しばらくすると、大木とサヨナラをしてまた歩き出した。

別れ、は必ずやってくる。誰も抗議をすることはできない。”それ”はやがて見えない程遠いところに行ってしまう。”それ”は一周して、また僕のところにやってくる。痛いほど速いスピードで優しくぶつかってくる。そんな時に僕は痛覚が敏感になれるのだと知ることができるし、「いたい」と口に出すこともできる。誰もいない深い夜に一人、或いはもう一人で。

朝は、必ずやってくる。何故だろう。朝は、必ずやってくる。夜になる前に、朝は、必ずやってくる。何故だろう。

朝は、必ずやってくる。抗議は一度だけ受け付けようと思う。憎しみが、寛容に変わる前に。寛容が、愛情に変わる前に。愛情が、習慣に変わる前に。

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